上腕骨小頭離断性骨軟骨炎病変部不安定性と上肢筋力との関係性/武庫之荘・整骨院
2023/07/23
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎病変部不安定性と上肢筋力との関係性
〇概説
上腕骨離断整骨軟骨炎は野球肘の中で最も重症度が高い傷害であり、成長期野球選手の1.6%に発症し、理学所見やCT.MRI.レントゲン.エコーなどの画像検査を踏まえて総合的に判断を行その中でも病変部位の軟骨下骨の評価が重要。上腕骨離断整骨軟骨炎の治療方針は患側が安定しているか不安定かで異なる。
安定している場合は発症初期では保存療法により改善が見込まれるとされており、不安定の場合は晩性期では手術療法が選択されます。
手術を行った症例では長期にわたり肘関節にストレスが加わっていたことが推測されており、投球時の肘関節外反ストレスの増大が発症の一因とされています。
外反ストレス軽減には肩甲骨周囲筋力や肩挙上位外旋、肩挙上位伸展筋力が必要。
上腕骨離断整骨軟骨炎症例では肩挙上位伸展筋力が低下するとされています。
上腕骨離断整骨軟骨炎安定群と不安定群との間では肩挙上位伸展筋力に有意差がみられたと報告されており、肩挙上位伸展筋力低下は不安定群の身体的特徴となると推察されます。
肩挙上位外旋筋力発揮には肩甲骨の上方回旋、後傾の固定が必要であり、前鋸筋が重要になるとされています。
前鋸筋はモーメントアームから肩甲骨上方回旋、後傾に関与が大きく、
前鋸筋の筋力低下は上腕骨離断整骨軟骨炎発症に関与します。
発症期間が長ければ長いほど肩挙上位伸展筋力が低下する可能性があります。
肩挙上位伸展筋力と投球動作の関係性では
コッキング後期肩最大外旋位からボールリリースにかけてはゼロポジションを保ちながら体幹回旋における受動的伸展運動が要求されます。
肩挙上位伸展筋力は肘関節伸展運動を形成するためでなく伸展位保持のための筋力で
肩挙上位伸展筋力の低下は加速期以降で肘関節伸展位保持低下に繋がり、肘へのメカニクルストレスを助長する因子になります。
野球肘は早期発見が重要とされており、長期化により、上腕骨離断整骨軟骨炎などの重症度が高い傷害に繋がります。
肘の違和感を感じましたらすぐにご相談ください。
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くわえ鍼灸整骨院